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2010/05/03 15:00
大分時間が経ってしまいましたが、3月の始め頃にラ・ベラ社の「アンティーク411」と、アクィーラ社の19cギター用セット弦「ガット&シルク800」を取り寄せて試してみたので、今回はそのレポートを。
上記2セットの写真はこちら。
ラ・べラの「アンティーク411」は高音弦がガット、低音弦は通常のナイロンの巻き弦のセット。国内ではアウラさんが扱っているようです。アウラさんのウェブサイトでの販売価格は¥3150。ちなみに私はアメリカのウェブサイトで$21.95で買いました。
アクィーラの「ガット&シルク」は卸し元のS.I.E.社が取り扱いを開始したものの、今のところほとんどのギター屋さんの店頭には置かれていないようです。(そりゃそうですよねー…)
さて、まずはラ・べラの「アンティーク411」について。こちらはモダンのクラシックギターに張ってみました。チェロのアンナー・ビルスマが、「よりよい表現ができるから」と言って、モダン仕様のチェロにもガットを張って演奏しているように、私もガットが好きだから、19cギターだけではなくクラシックギターにも張ってみたいわけです。そして今回はその初の試み。
高音用のガット弦についてですが、残念ながらパッケージにも、ラ・ベラ社のウェブページにもガット弦のゲージの記載がなく、家にノギスもないので正確なゲージは不明。テンション計算するためにはこれが肝心なのに…でも見た感じでは普通のナイロンの高音弦と同じくらいのよう。で、どうも弦に厚くニスが塗られているようで、かなり硬い感じ。リュートの櫻田亨さんから「ガット弦は太いと硬くなるうえに、ニスを塗るとさらに硬くなる。硬くなると振動しずらい」とアドバイスを戴いていたので、ただでさえ太めのうえに、厚いニス塗りということで、張る前からちゃんと振動してくれるか心配になってしまう。
いよいよ張ってみました。まず初日はA=392から初めて、415あたりまで。テンションが低いので全然鳴らない。切れると嫌なのでケースにしまうときは緩めておく。
2日目はA=430あたりまで上げてみたのですが、ペグを回しているとたまにピキピキといった音がして、@弦にすでに脆そうな箇所を見つける。そこがちょうどナットの上あたりに来ていたので、慌てていったん外して逆張りをする。やはりA=430でも鳴り悪し。というか、弦が硬いためか、すでに@弦には相当強いテンションがかかっている感覚。あまり鳴らない上に弾きづらいので弾いていてまったくエンジョイできない。
3日目。A=435まで上げると、ようやく音量が出てきた感じ。@弦は相当テンション強そうで、いつ切れるかと思うと怖くてとてもA=440まで上げられない。音色は明るくて、美しい音もでる。やはりこの明るさはナイロンにはないだろう。ただ、以前の記事で「ガット弦は反応が良いのでスラーが楽」だと書いたが、今回はあまりそういう感じがしない。ラ・ベラのガットの質が悪いのか、あるいはクラシックギターのほうの問題なのか、恐らく両方だろう。
4日目。ギターを取り出してA=435あたりで調弦中に、バキッ!!ていう凄い音とともに、@弦が切れる。
享年4日の命を全うされました…
ちなみに切れたところは、ほつれとか、毛羽立ちといった、切れそうな兆候のあるところではなく、5フレット上あたり、問題なさそうだったところから切れました。さあ切れた@弦の替わりをどうしましょう。2セット分購入したので、新しい@弦を張る手もあったのですが、また切れてしまうでしょうから諦めてナイルガットを張りました。
というわけで、クラシックギターガット化計画は失敗。ただ、@弦以外はA=440まで上げても十分持ちそうでした。ラ・べラのガットはあまり品質が良いようには思えず、他のメーカーで実験を重ねれば、ひょっとしたらA=440に耐え得る@弦が見つかるかもしれません。でもそれには大変な額のお金がかかる…。そこまでしてガットにこだわる気概もなし。考えた末に、やはりクラシックギターは当面通常のナイロン弦を張って、ガットについては、またそのうち勇気が出てきたら?試してみようかというところです。
続いてアクィーラの「ガット&シルク800」について。これは高音がガット、低音がシルクの巻き弦のセット。こちらは19cギターに張ってみました。
まず、張力強っ!アクィーラ社のサイトによると、ゲージが@弦0.62mm,A弦0.79mm,B弦0.91mmだそうで、これをA=415にして私のギターに張ると、@弦6kg,A弦5.5kg,B弦4.7kgとなって、張りが強すぎて楽器が喜んで鳴ってくれない。しばらくA=410くらいにして弾いていたのですが、現在はA=392あたりまで落として弾いています。面白いもので、張力を下げたほうが楽器が喜んで鳴ってくれるんですよね。現在はA=415以上に上げないといけないような事情がないので大丈夫ですが、合わせ物とかで他の楽器のピッチに合わせなければならないような場合には、このセットはとても使えません。
品質についてですが、どうもシルクの巻き弦のC弦が不良振動しているよう。他にもピッチが少し悪いような。「アルケミア」を使ったときにも、ピッチがいまいちだったことがあって、アクィーラの弦に私は万全の信頼を置けません。高音のガットはまずまず良い感じ。ただ、キルシュナーやガムート、トロのほうがより良い品質・音色に思います。
なんだか文句ばっかりって感じですが、低音のシルクの巻き弦は、ピッチの問題を除けば素晴らしいと思います。非常に柔らかい、優しい音質で、クラシックギターの低音弦としても十分使えそうで、今度試してみるつもりです。ナイロンの巻き弦の音色に不満があったり、他のものを試してみたい方は、「ガット&シルク900」の低音のシルク弦だけを買って張ってみたらいかがでしょうか。ガットの巻き弦に比べれば安価ですし。
ご紹介したラ・べラ、アクィーラのA弦とB弦の写真がこちら。左がラ・べラ、右がアクィーラ。
A弦はどちらも見た目はあまり変わらない感じ。
B弦の色はずいぶん違いますね。ラ・べラの弦はずいぶん硬い…
ついでに先日特注していたToro社の@弦が届いたので、その写真を。
ゲージは0.56mm。うーん、テカテカしてる。ニスを塗ってるのが良く分かりますね。180cm分頼んだものの、今思えば120cmで良かった…これ一本で\1950也。大切に使わねば。
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