ロバート・レヴィン フォルテピアノ・リサイタル

ロバート・レヴィン フォルテピアノ・リサイタル
 
2009年5月22日 武蔵野市民文化会館小ホール

プログラム

ヨーゼフ・ハイドン:ソナタ変ホ長調Hob.XVI-49
           ソナタハ短調Hob.XVI-20

W.A.モーツァルト:ソナタハ長調K.330
           ソナタ二長調K.576


アンコール
モーツァルト:アレグロ変ロ長調K.400(レヴィンによる補筆版)

使用楽器:ヴァルター・フリューゲル(1781年製作)のモーニカ・マイによるレプリカ


22日は楽しみにしていたロバート・レヴィンのコンサート。レヴィンについては特に説明はしなくてもよいでしょう。現代最高のモーツァルト研究家にして演奏家ですね。3月にジョス・ファン・インマゼールを聞いたのに引き続き、ロバート・レヴィンを聞けるとは、なんと幸せなことでしょうか。17日のハイドンの演奏会で2ndヴァイオリンを弾いてらした方とご一緒する。
このコンサートは武蔵野文化事業団と日本モーツァルト研究所との共催とのことで、海老澤敏所長とレヴィンによるプレトークがあり。
一曲目はハイドンが1789年~90年にかけて作曲した変ホ長調のソナタ。この曲は故・小島芳子さんの録音が好きで、始めて実演で聞けるということで楽しみにしていました。
が、演奏が始まってみるとなんか変。レヴィンの演奏は素晴らしいのだが、なにかがおかしい…
違和感を覚えながら聞くこと数分間、下した結論は、
「音程が狂ってる…」
中音域はだいたいいいのですが、低音の一部と、高音はほとんど全部が狂っていて、耐えがたいほどでした。しかも武蔵野は響きの良いホールだからなおさらそれが目立ってしまう。
それにしても1曲目からして狂ってるなんて初めての経験で、本当に信じられない思いでした。開演前に調律していたのに…
1曲目が終わって、いったん演奏者が引っ込み、すぐに調律師の方が出てきて、ちょっと詰まったような音がしていた高音の1音だけを直して、2曲目へ。
でも1つの音を直したくらいではどうしようもなく、2曲目終了時にはもはや拍手する気になりませんでした。
休憩時間中に、ご一緒したヴァイオリン弾きの方と、そのお友達の方と、「あの調律師はいったいなんなんだ?開演前に調律してたけど全部のバランス確認してなかったのかね。舞台袖で聞いて真っ青になったでしょうね。1音だけ直すんじゃなくて、全部直せばいいのに。」などと文句言いまくる(笑)本当にあり得ないくらい酷かったんです。

でも休憩後のモーツァルトは素晴らしかった!!休憩中に調律し直したおかげですべての音がしかるべき場所に整えられ、演奏も自由闊達で、反復ではロバート・レヴィンの真骨頂とも言える、即興による装飾が付けられ、ハ長調K.330でモーツァルトが見せる天真爛漫っぷりを最高の演奏で楽しむことができました。
が、後半2曲目が始まってしばらくして「また狂ってる…」。ここでようやく調律師のせいというよりは、楽器自体に問題があるということに気が付きました。いくらなんでも20分くらい弾いただけで狂うなんておかしいでしょう。明らかに、レヴィン自身も、海老澤さんも、調律師の方も了解済みのことだったのでしょう。アンコールになると狂いはさらに酷くなって、結局調律に振り回されっぱなしの演奏会でした。
それにしても、主催者はおそらくアントン・ヴァルターのレプリカをどうしても使いたかったのでしょうが、ちゃんと調整されてないと分かっている楽器を使うことを強行したのにはやはり問題があると思います。また、時間とともに狂ってしまうのは分かっているわけだから、1曲終わる毎に調律をし直すべきだったのではないかとも思います。その結果終演時間が遅くなったとしても、酷い調律で演奏を聞かせられるよりはよっぽどいいでしょう。弾く人がいない眠っていた楽器だったのでしょうか。詳細はよく分かりませんが、残念な結果となりました。

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